東北・22年のコメ生産目安4.3%減 減反廃止後最大の減少幅

 東北の2022年産主食用米の生産量目安が出そろった。6県全体は175万5599トンで、21年産の目安(宮城県は目標)を7万8605トン(4・3%)下回った。生産調整(減反)が廃止された18年以降で最大の減少幅。新型コロナウイルスの影響で外食などの需要が落ち込み、在庫が積み上がる中、各県は収益性の高い園芸作物への作付け転換や消費拡大を加速し、米価のこれ以上の値崩れを回避したい考えだ。

 各県の目安、21年産との比較は表の通り。農林水産省が示した全国の適正生産量(675万トン)を基に、各県の行政や農協などでつくる協議組織が県産米の全国シェアや在庫量などを考慮して算出した。

 減少率が7・0%と最大の青森は、県産米の約6割を業務用が占める。県内のコメ在庫量(10月末時点)は15万6800トンと、コロナ感染拡大前の2倍近くに膨らみ、県農協中央会の松沢秀治農業対策部長は「まずは在庫圧縮が必要。大豆や野菜など転換が考えられる具体的な作物を生産者に提示したい」と話す。

 青森に次ぐ減少率の宮城は業務用を中心に需要のある「ひとめぼれ」などについて、量販店や家庭向けを含めた販路を再構築する。全農県本部の大友良彦本部長は水稲と畜産の連携にも活路を見いだし、「飼料用米や(稲発酵粗飼料の)稲ホールクロップサイレージなどへの転換に取り組み、国産の原料を増やして循環型農業を展開したい」と青写真を描く。

 山形は目安の設定に当たり、ブランド米「つや姫」や「雪若丸」を増産する一方、6月までの1年間で増えた県産米在庫分を差し引いた。米どころの庄内地域などで減少幅が大きく、「生産者にとって非常に厳しい内容」(高橋雅史県農林水産部長)。県は主食用米の作付面積10アール当たり1000円を給付する緊急支援事業を講じ、営農意欲の維持向上につなげる。

 東京電力福島第1原発事故からの復興途上にある福島。県内58市町村のうち、営農再開が進みつつある楢葉、浪江両町など11市町村の目安は増えたが、会津若松、喜多方両市など約6割の自治体が下回った。県水田農業産地づくり対策等推進会議は「落ち込んだ米価はすぐには戻らない」と見通し、加工用米や輸出用米などへの転換を目指す。

 岩手の減少率は2・4%で、前年(2・5%減)とほぼ同じ水準。県農産園芸課の担当者は「需要に応じて良いコメを作り、消費者に届けたい」と説明。消費拡大に向けて今月下旬から来年3月の間、県外の30万人を対象に高級品種「銀河のしずく」や「金色の風」のサンプル米(300グラム)を配る計画だ。

 県産米の8割が家庭向けで、事前契約も進む秋田。減少率は東北で最小だが、佐藤幸盛県農林水産部長は「各産地が需要が低迷する業務用から、比較的堅調な家庭用に販売先を切り替えてくる」と危機感を強める。コロナで経営に苦しむ農家や農業法人に対する国の無利子融資制度の利用を呼び掛けるほか、約2万トンの優先枠がある備蓄米への振り分けを図る。

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