需給バランスを保つため日本酒業界への新規参入が制限される中、酒税法の壁に風穴を開けようと秋田県男鹿市に2021年11月、酒醸造所を開業した男性がいる。北九州市出身の岡住修兵さん(33)。「日本酒で男鹿を盛り上げたい」。清酒製造免許の新規取得と男鹿の地域活性化を目指し、酒造りと向き合う。(秋田総局・藤原佳那)
「稲とアガベ醸造所」はJR男鹿駅前広場の北側に残る旧駅舎を改装した。木造平屋約240平方メートルにこうじ室やもろみタンクなどを整備。秋田銀行と日本政策金融公庫からの融資約2億円を充てた。
21年11月下旬に「DOBUROKU」と「CRAFT 稲とアガベ」を発売。仕込みの流れは日本酒とほとんど一緒だが、「その他の醸造酒」の扱いになる。
特徴は「米を磨かない酒」であること。無肥料・無農薬の自然栽培米を使用。雑味につながるタンパク質が少ないため、精米歩合は90%だ。第1弾の計2800本は既に完売した。
岡住さんは14年に神戸大を卒業後、秋田市の新政酒造に就職。日本酒に関わる仕事をしたいと考え、蔵人として4年半、酒造りに打ち込んだ。
「若手が挑戦できる環境で全てを学んだ。毎日楽しかった」。酒造りの面白さに魅了され、18年に新政を退職後、自分の酒蔵を造ることを決意。だが、酒税法の壁が立ちはだかった。
「若手が酒蔵で経験を積み、独立できるようになれば日本酒の魅力も増えるのではないか」。東京・浅草にあるどぶろく醸造所で醸造長を務めるなど経験を積み、21年3月に起業した。
9月にその他の醸造酒と輸出用清酒の製造免許を取得。現行法で可能な限り日本酒に近い酒を造り、国内にファンを増やすほか、22年1、2月には日本酒などを香港に輸出する予定だ。
「醸造所は目標達成の一歩にすぎない」と岡住さん。清酒製造免許の新規取得に向けて男鹿市とともに「日本酒特区」の新設を内閣府などに要望していく考えだ。「男鹿が特区認定の第1号になれば全国から醸造家が集まり、新たな雇用が生まれる」と期待する。
醸造所には完全予約制のレストラン「土と風」を併設。酒と地元の食材を使った月替わりのコース料理を提供し、酒とのペアリングを楽しむことができる。今後、市内に食品加工所や宿泊施設付きレストランなどの開設も予定している。
岡住さんは「醸造所を起点に事業を立ち上げることで、地域を盛り上げ、お世話になった秋田に恩返しがしたい」と話す。
[清酒製造免許]日本酒の供給過多による事業者の経営悪化を防ぐため、国税庁は免許の新規交付を制限している。既存の酒蔵を買収したり、事業を承継したりした場合でしか日本酒業界への新規参入は原則認められていない。2021年からは輸出向け限定で製造免許を交付している。
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