河北春秋(1/19):今から230年前、長崎県の雲仙普賢岳が噴…

 今から230年前、長崎県の雲仙普賢岳が噴火している。この時に普賢岳の東側にあった山が大崩落し、岩が雪崩のように有明海に流れ込んだ。大量の岩石は海水を急激に押し出して、巨大な津波が発生したという▼崩落で現在の島原市の中心部はほぼ全滅し、津波は対岸を襲った。現在の熊本市だ。地震学者の鎌田浩毅さんの著書によると、合わせて約1万5000人の死者が出たという。「島原大変、肥後迷惑」の名で記憶される大災害だ▼岩の雪崩が津波を発生させるのは容易に想像できるが、火山の噴火そのものが原因になるとは意外だった。南太平洋・トンガ沖の海底火山の噴火だ。津波が周辺に押し寄せた。巨大な爆発で大気が振動し、海水面の変動を招いたらしい▼地震の揺れを陸上で感じなくても襲来するのだから怖い。日本には1メートルを超える津波が来て、三陸沿岸の養殖施設などに被害が出ている。人的な被害がなかったのは幸いだった。一方で、避難者が少なかった問題がまた浮上した▼海底火山は環太平洋火山帯に属し、この1世紀の間にも何度か噴火している。当然、今後も活動は続く。大気中に大量放出された火山灰が起こす異常気象とともに、再度の噴火による津波の発生が心配だ。避難の準備と心構えが改めて問われる。(2022・1・19)

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