河北春秋(1/21):大正時代に流行したインフルエンザのスペイ…

 大正時代に流行したインフルエンザのスペイン風邪。劇作家の秋田雨雀は日記に「風邪。非常な発熱。苦しい」。翌日は「ますますいけない。全身が痛む」。しかし、3日後には「僕は風邪が治った」と書いている▼この感染症は感染率は低いものの、死亡率が高かった。雨雀はまだ若く回復が早かったようだ。当時、決定的な対策はなく、人混みの回避、うがい、手洗いが励行されたという(速水融『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』)▼政府の新型コロナ対策を議論する基本的対処方針分科会。尾身茂会長が「ステイホームは必要ない。4人ぐらいで静かに会食。話すときはマスク」と語っている。基本的な感染症対策は昔と変わらないということだろうか▼オミクロン株の感染者が急増し、16都県に「まん延防止等重点措置」の適用地域が広がるという。ところが、飲食店の営業時間や酒類提供に関する制限は、各地でばらばら。尾身さんの「店を閉める必要はない」との発言も混乱を加速する▼国の対策のありよう、そして専門家の見方。結構違っていて、戸惑う。われわれとしては「コロナは飛沫(ひまつ)感染」という基本を押さえ、身を守る対策を徹底するほかはない。欧米の状況を見る限り、日本での流行の沈静化はそう遠くないと思える。(2022・1・21)

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