感染防止と発達、両立に保育現場が苦慮 今月クラスター4件の仙台

 新型コロナウイルス感染が保育施設でも広がりを見せる中、仙台市の保育所が感染対策と発達の両立に苦慮している。乳幼児はワクチン接種の対象外で、マスクの着用も難しい。安全を確保しながらも、心身の成長に影響が出ないよう職員は試行錯誤を続ける。
(報道部・古賀佑美)

感染を防ぐため、おもちゃを消毒する保育所職員=24日、仙台市青葉区の落合保育所

抱っこのたび手洗い

 公立で市内最大規模の落合保育所(青葉区)は0~5歳児の130人を預かる。施設内の常時換気や手指消毒はもちろん、職員や子どもの検温、こまめな手洗いなども欠かさない。

 子どもがマスクを外す給食の時間は、大きな声を出さないように注意が必要。3歳児担当の保育士大谷央子(ようこ)さん(48)は「給食は食育の時間。子どもたちと一緒に食べながら、楽しく献立の説明をしたいが、それができない」と唇をかむ。

 マスクの着用が推奨されていない2歳未満への対応は悩ましい。特に0歳児は抱っこやおんぶなど、スキンシップが欠かせない。

 担当する保育士田山由梨さん(43)は「愛情を持って受け入れることが子どもの気持ちの安定につながる。そこは変えてはいけない」と強調する。落合保育所は保育士がその都度、手洗いすることで何とかしのぐ。

 0歳児クラスは昨秋から絵本や歌の時間に限り、保育士が口元の見える透明マスクを使う。「生まれてから周りの人がずっとマスクをしている。口から声が出ていると、分からないのではないか」と懸念した。発語の遅れを心配したものの、最近は口をぱくぱく動かすようになったという。

「明日はわが身」

 市内では今月、保育施設や幼稚園のクラスター(感染者集団)発生が4件あった。感染者が出なくても複数の職員が濃厚接触者になれば6日間の待機が必要。人員不足で、休園せざるを得なくなる。佐藤美穂所長(58)は「明日はわが身の心境」と不安を口にする。

 感染を防ぐとともに、万が一、陽性者が出た場合の影響を最小限に抑えるため、屋内の遊び場を年齢ごとに指定した。保育所に併設する「地域子育て支援センター」を利用する子どもとの交流も取りやめた。

 佐藤所長は「コロナ下であっても、できうる保育を職員同士が常に話し合い、工夫してきている。これからも保護者が安心して預けられるような環境づくりを続けていきたい」と語る。

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