(183)山墓の雪は汚さず夕日去る/木附沢 麦青(1936年~)
深い山の中に残された墓石を想像しました。冬には雪が積もり、なおさら山への立ち入りが難しくなります。お墓の周りも、まっさらな雪に厚く覆われていることでしょう。夕暮れの赤い光は、西の空から斜めに照りかか…
関連リンク
- ・(182)豹変の寸前の眼や大焚火/菅原 鬨也(1940~2016年)
- ・(181)階段の途中真冬の日のくわつと/光部 美千代(1957~2012年)
- ・(180)透きとほりゐるさびしさや葛湯吹く/仙田 洋子(1962年~)
- ・(179)教室に猫背ずらりと冬の昼/新谷 桜子(2004年~)
- ・(178)雪の海底紅花積り蟹(かに)となるや/金子 兜太(1919~2018年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。