(187)立春の米こぼれをり葛西(かさい)橋/石田 波郷(1913~1969年)
今日は立春。葛西橋は東京の荒川の下流に架かる橋である。昭和21(1946)年の作で、食料の乏しい戦後の、千葉県への買い出しの道筋であった。橋の上に少しだけこぼれている米に焦点を当て、その時代を浮かび…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。