中世アイヌと関係か、クマの歯装飾品出土 青森・南部

 青森県南部町教委は4日、室町・戦国期に三戸南部氏が居館としていた国史跡「聖寿(しょうじゅ)寺館(じたて)跡」で、装飾品に使ったとみられる穴の開いたクマの犬歯が見つかったと発表した。動物の骨や角などでできた穴のある装飾品は北海道で発展したアイヌ民族文化の特徴とされ、実態が分かっていない本州と中世アイヌの関係を解明する手掛かりになりそうだ。

 犬歯は長さ6・8センチで直径2ミリの穴がある。2020年度に館跡の北東で確認された約100メートル四方の方形区画を町教委が発掘調査し、21年5月に区画のほぼ中央から出土した。

 中世のアイヌ文化が伝わる勝山館跡(北海道上ノ国町)で、穴が開いたヒグマの爪2点が発掘された例がある。今回出土した犬歯は首飾りの一部か、刀のさやをぶら下げる留め具などに使われたと考えられる。

居館内で生活?

 聖寿寺館跡ではこれまでも、「シロシ」という刻印が入った陶磁器をはじめ、アイヌ文化特有の骨角器やガラス玉が出土。居館があった15~16世紀に北海道と交易し、アイヌ民族が居館内で一緒に暮らしていた可能性が指摘されていた。

 県文化財保護審議会の工藤竹久委員は「聖寿寺館跡の出土品は多彩で未完成品もある。長い期間、アイヌが暮らしていたと考えるのが自然。戦闘時の道先案内など、居館内で重要な役割を担っていたのでは」と解説し、犬歯の発見で定住の可能性が高まったとみる。

 町教委はクマの種類を特定するため、DNAを分析中。担当者は「北海道だけに生息するヒグマであれば、南部氏が北海道に支配の手を伸ばしていたことも考えられる」と話す。

 犬歯は3月1日から、聖寿寺館跡案内所で一般公開される。

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