始まりは東日本大震災の避難所に設置された炊き出しの食堂でした。石巻市渡波地区で一般社団法人ワタママスマイルが運営する「ワタママ食堂」。震災直後から地域の「食」と「職」を支え続け、現在も「住民に寄り添う」と新たな課題に向き合っています。
震災で多くの家が全半壊被害を受けた渡波地区。渡波小の避難所に、元青年海外協力隊員らの「協力隊OV有志による震災支援の会」が運営支援のボランティアに入りました。
支援の会の菅野芳春さんは、避難所暮らしのママが「何かしていないと悪いことしか考えない」と話すのを聞き、「炊き出しを仕事にすれば、やりがいを感じるのでは」と有償ボランティアの仕組みを作りました。
必要な炊き出し量は在宅避難者分も合わせ多い時で3000食。ママたちは休む間もなく食事を作り、配食し収入を得ると「このお金で子どもに新しい服を買おう」と希望を語り、前向きになっていきました。
その後ママたちから「活動に名前が欲しい」との声が上がり、「渡波のママ」から取って「ワタママ食堂」が誕生したのです。
2011年10月、避難所が閉じられると、菅野さんは「仕事がない。これからどうしよう」と相談を受けました。一方で仮設住宅に移った高齢者には、周囲に買い物をする場所がなく、日々の食事にも困る悩みがありました。そこでママたちの経験を生かし弁当の配食事業を開始。「栄養バランスのいい温かい食事がうれしい」と、300食もの注文が寄せられました。
配食事業用に借りた建物が解体されることになると「復興が目標。プレハブでなく、新しい建物を建てよう」と14年、あえて被害が大きかった場所に木造の食堂を再建し、菅野さんが代表になりワタママスマイルを設立。食堂近くに家を再建しようという人も現れ、地域の復興が進んできています。
地域の変化に応じ、ワタママの活動内容も変化しています。菅野さんがスタッフに子どもの食事を尋ねると、「パンを買ってある」との答え。スタッフはシングルマザーが多く、子どもがきちんと食べていないことが分かりました。統計を調べると、渡波地区のシングルマザーの割合は全国平均を上回っていました。
この問題に対応しようと16年、子ども食堂を始めました。新型コロナウイルス感染拡大でシングルマザー家庭の生活が一段と苦しくなると、食材提供や子どもの学習支援活動にも乗り出しています。
菅野さんは昨年の震災10年をめどに「活動を終了してもいいかな」と考えていたそうです。しかし新たな課題に直面し「1団体では、できることは限られる。行政、民間などさまざまな組織の連携が必要」と思い直し、子ども食堂の石巻圏域ネットワークをつくりました。「活動の原点である『食』と『職』のサポートをベースに、誰もが安定した生活を送れるまで地域住民に寄り添って活動していく」と決意を新たにしています。(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 小野寺真美)
私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。
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