風評被害、華麗にさばく 女性マグロ解体師、ショーで漁業復興発信

マグロを解体する堀江さん

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの漁業の復興を応援しようと、須賀川市のマグロ解体師堀江麻記さん(47)が奮闘している。重さ数十キロのマグロを華麗にさばく解体ショーの世界で唯一、組織に属していない女性包丁人だ。新型コロナウイルス禍で実演の場は限られるが「被災3県の漁業者の頑張りを発信したい」と日々、腕を磨く。

 郡山市の水産卸会社に15年勤め、スーパーなどに卸すマグロの切り分けを担当してきた。数十キロのマグロを出刃包丁だけで三枚におろし、瞬く間に数百人分の刺し身にして皿に盛り付ける。

 結婚式やパーティーの余興を引き受けてきたが、震災後は会社に出入りする漁業者の苦境を耳にする機会が増えた。「こんなに努力しているのに、今度は原発事故で発生した処理水の海洋放出問題。仲間の漁業者のために何ができるのか、考えずにはいられなかった」

 「復興しつつある被災3県の漁業を全国にPRしてほしい」という声に押されて2020年1月、独立を果たした。しかし直後の4月、東京などにコロナ感染拡大の緊急事態宣言が出てショーの予約は軒並みキャンセルになった。

 「落ち込んだこともあったが今は我慢。むしろ新しい技術を習得する時間になった」と前向きだ。東京・豊洲市場の仲卸業者や食品流通会社から連携支援の申し出を受け、コロナ収束後をにらんだイベント開催の準備も進んでいる。

 震災とコロナ。「二つの苦境を乗り越え、みんなに笑顔を届けたい」と堀江さん。「包丁一本さらしに巻いて、全国どこでも駆け付けます」

 連絡先はオーシャン・マキ090(2273)4747。

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