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5~11歳の子ども、コロナワクチンどうする? WEBアンケート 悩む親子の姿浮かぶ

 5~11歳を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種について、河北新報社は通信アプリLINE(ライン)で読者らにアンケートを実施した。宮城県内で対象の子どもがいる回答151件のうち「受けさせたくない」は6割に上った。12歳以上の8割が2回目接種を終えた中、11歳以下への接種に消極的な傾向がうかがえる。

「受けさせたい」1割強

 県内で対象の子どもがいる回答者のうち、子どもに接種を「受けさせたい」は1割強にとどまった。「決めていない、分からない」は2~3割程度だった。

 自身は接種した回答者のうち、半数弱は子どもに受けさせるかどうか決めかね、3割強は受けさせたくないと回答した。

 「子どもは重症化リスクが低いし、接種しても感染しないわけではない。自分の副反応がひどかったので、子どもに同じ思いをさせたくない」(30代パート女性)「受けても子どもを取り巻く環境は変わらない。メリット、デメリットが明らかになるまで様子を見たい」(40代会社員男性)などの意見が寄せられた。

 一方、受けさせたいとした回答者は「兄弟が受けたこともあり、本人が受けると決めた」(40代会社員女性)「小学校で感染者が出ているので、少しでも安心して通わせたい」(40代主婦)などの理由を挙げた。

 コロナ感染とワクチン接種のどちらに不安、心配を感じるかを尋ねた問いでは「接種」「感染と接種どちらも同じぐらい」がそれぞれ4割強だった。

 不安、心配を感じる内容(複数回答)は「長期的な安全性」が8割、「発熱など短期的な副反応」が7割、「心筋炎の発症」は6割強。「偏見・差別」も3割強あった。

宮城県内で5~11歳の子どもがいる回答を対象に計量テキスト分析という手法でキーワードを抽出し、関係の深い単語同士を線でつないだ「共起ネットワーク」を描いた。立命館大の樋口耕一教授らが開発した分析ソフト「KH Coder」を使用した

子どもいない世代、積極派増える

 対象の子どもがいない世代の回答226件では、子どもにワクチン接種を「受けさせた方がいい」は4割弱、「受けさせない方がいい」は3割強、「分からない」は3割弱と判断が分かれた。子どもがいる回答者と比べると、接種を推奨する意見が多かった。

 「子どもの感染が増えている」と接種を勧める声がある一方、「基礎疾患がないなら不要」とする意見もあった。40代会社員女性は「成長過程の体であり、接種後の人生が何十年も続く。子どもの接種は慎重であってよい」との考えを示す。

 アンケートは2月28日~3月3日、「読者とともに 特別報道室」のLINEで友達登録する読者らに実施した。725件の回答が寄せられ、このうち宮城県内在住の377件を集計に反映させた。一般の世論調査とは異なる。

◇主な意見◇

 「安全性があまり分からない状態で、本音を言えば受けさせたくない。受けないことで差別を受けるのも心配で、なかなか決められないでいる」(40代主婦)

 「小さい子に何かあったらと思うと極力打ちたくないが、夫は重症化を防ぐために打たせたいと言い、意見が割れている」(40代自営業女性)

 「ワクチンの副反応と、未接種の場合の感染リスクとをてんびんにかけた時、どちらを採るか判断がついていない」(30代会社員男性)

 「重症化も不安だが、いろいろな情報があり、本当にワクチンが安全なのか不安になっている。既存のワクチンほど治験していないものを打っていいのかどうかとても悩んでいる」(40代パート女性)

 「受けさせたくはないが、子どもはコロナが怖いのか、接種券が来たらすぐに受けると言う。受けないと旅行に行けないなど、不便な世の中になってきた」(40代公務員男性)

 「自分が副反応がひどかったため、体質を受け継いでいる子どもも心配。副反応のデータや説明が不十分だ」(40代主婦)

「保護者の不安は強い」 ーーー 小児科医の見方

親らの意向を継続調査している川村医師。「接種する」は「しない」より多いという=2022年3月5日、仙台市青葉区のかわむらこどもクリニック

 仙台市青葉区の小児科医院「かわむらこどもクリニック」院長の川村和久医師は「12歳以上の子どもへの接種と比べて、保護者の不安や心配が強いのは明らか」と冷静に受け止める。

 川村医師は昨年8月と11~12月の2回、診察した子どもの親らに独自のアンケートを実施。5~11歳にワクチン接種を「受けさせる」との答えは1回目が39・8%だったが、2回目は31・3%に下がった。「実際の接種が近づくにつれ、不安は強まっている」と分析する。

 1日から接種予約を受け付けており、3月中旬に始める見込み。「様子を見てからという人が一定数いて、希望者の割合がつかみきれない」とした上で、「『受けさせない』は2回とも『受けさせる』より少なかった」として、河北新報社のアンケート結果より希望者の割合は多いとみる。

親子でよく相談を

 川村医師が接種の判断に悩む親に伝えるのは、ウイルスや細菌が原因で起こる病気が数多くある中、ワクチンで予防できる病気(VPD)はごく一握りという事実だ。ワクチンを接種できる環境があるのにしないのはもったいない、という考え方を示す。

 川村医師は「ワクチンによる発症と重症化予防の効果は、子どもでも十分証明されている。子どもが重症化しにくいのは確かだが、オミクロン株による感染は増えていて、かかったら1、2週間は隔離される。発熱などの副反応が数日続くこととてんびんにかけ、保護者と子どもがよく理解し、相談して決めてほしい」と呼び掛ける。

アンケート回答全文

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