(236)ものの種にぎればいのちひしめける/日野 草城(1901~1956年)
種を蒔(ま)く。種子の状態ではまだ生命という感じが薄いが、いずれは芽を出し花を咲かせる。こんな黒い粒からきれいな花が咲くなんて信じられないような気がするが、はっきり見えなくとも、それでも種は生きてい…
関連リンク
- ・(235)さまざまの事思ひ出す桜かな/松尾 芭蕉(1644~1694年)
- ・(234)夕霞木霊の返事遅くなる/佐藤 みね(1941年~)
- ・(233)白魚にすゞしさの眼のありにけり/石橋 秀野(1909~1947年)
- ・(232)花杏(あんず)受胎告知の翅音(はおと)びび/川端 茅舎(1897~1941年)
- ・(231)長生きの朧(おぼろ)のなかの眼玉(めだま)かな/金子 兜太(1919~2018年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。