(237)蝶ひかりひかりわたしは昏くなる/富澤 赤黄男(1902~1962年)
明確な映像の句もありますが、読者により印象が変わる句もあります。蝶(ちょう)が発光することも、反射することも厳密にはありません。しかし繰り返された「ひかりひかり」という言葉で、明るく光を翻しながら飛…
関連リンク
- ・(236)ものの種にぎればいのちひしめける/日野 草城(1901~1956年)
- ・(235)さまざまの事思ひ出す桜かな/松尾 芭蕉(1644~1694年)
- ・(234)夕霞木霊の返事遅くなる/佐藤 みね(1941年~)
- ・(233)白魚にすゞしさの眼のありにけり/石橋 秀野(1909~1947年)
- ・(232)花杏(あんず)受胎告知の翅音(はおと)びび/川端 茅舎(1897~1941年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。