(238)単純なひかりがここに草若し/遠藤 由樹子(1957年~)
「草若し」は芽を出したばかりの草のこと。萌(も)え出る春の草はみずみずしい。作者はじっと座りこんでその草を見ていたのだろう。そこに光を見つけた。この「単純なひかり」とは何だろう。真っすぐな、素朴な光…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。