小さな映画館が地震被害で存続危機 「一関シネプラザ」復旧へCF

 岩手、宮城県境地域で唯一の銀幕を守る一関シネプラザ(一関市)が、宮城、福島両県で最大震度6強を記録した先月16日の地震による被害で休館を強いられている。新型コロナウイルスによる客数減に続く受難に、映画館は「存亡の危機」を訴える。復旧工事費の一部に充てようと5日、クラウドファンディング(CF)を始めた。

休館を告げる一関シネプラザの上映案内板

井上ひさしさんがもぎり手伝う

 開館は1949年。劇作家で作家の故井上ひさしさん(山形県川西町出身)が、すぐ近くに住んでいた少年時代に入場券のもぎりを手伝った映画館として知られる。シネマコンプレックス(複合型映画館)の台頭で近隣のスクリーンが姿を消す中、二つのシアターで人気大作から通好みの作品まで幅広く上映する。

 今回の地震は一関市で震度5強を観測。現在の建物は築32年で館内の天井部分ははがれ落ち、電気設備の故障で停電が約2週間続いた。5日に始まった復旧工事の総工費600万円は映画館の存続にも関わる負担という。

 11年前の東日本大震災でスクリーンが裂けた時は、中部地方などからミニシアター関係者が駆け付け修繕を助けた。今回は既にCFの当初目標額50万円を超える善意が集まっている。松本健樹社長(76)は「震災時に続き、涙が出る思いだ。最初は支援を申し出るのが心苦しかっただけに、ありがたい。これも映画の力なのだろう」と語る。

「ドライブ・マイ・カー」上映

 大型連休前の再開を目指す。3月末の米アカデミー賞で国際長編映画賞に輝いた「ドライブ・マイ・カー」を上映する。

 CFは専用サイト「レディーフォー」で21日午後11時まで受け付けている。5000円から寄付が可能。映画招待券など返礼品付きの形もある。一関シネプラザでも手続きできる。

【震災応援】小さな街なか映画館が存亡の危機です
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