(244)名のつかぬうちぞめでたし春の草/井上 井月(1822~1887年)
井月(せいげつ)は明治初期に信州伊那を放浪した俳人。「名のつかぬうち」というのは、いずれ成長にともなって葉の形が定まり、花を咲かせたりしたら、その草にも名が付いてしまうということだろう。思えば人間も…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。