余震回数、震源重なる「双子地震」の昨年2月上回る 震度6強1カ月

地震で壁が崩れた蔵。住民は改修せずに解体する予定という=15日、角田市

 宮城、福島両県で最大震度6強を観測した3月16日の地震の影響で、震源周辺では今も余震が続く。同じく両県で最大震度6強を記録し、震源の位置がほぼ重なる「双子地震」とされる昨年2月の地震より余震回数が多く、専門家は引き続き大きな余震への警戒を呼び掛けている。

 二つの地震は福島県沖の東日本大震災の余震域で発生。陸側プレートに沈み込む太平洋プレート内部で生じ、東西に押し合うような力がかかり断層が上下方向にずれる「逆断層型」だった。マグニチュード(M)と震源の深さは3月がM7・4、57キロ、昨年2月がM7・3、55キロ。

 同規模地震の発生後1カ月間に起きた余震回数はグラフの通り。昨年2月の地震は1カ月間で49回だったが、3月の地震は今月15日夕までで74回に上る。

 東北大災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)は「3月の地震の方が規模が大きく、昨年2月の地震の余震域も刺激したためだろう」と指摘する。

 遠田教授によると、3月の地震のエネルギーは昨年2月の約2倍で、周囲への影響も大きかった。発生後1カ月間に福島県沖で起きた最大震度4の余震は昨年2月の地震は1回だったのに対し、3月の地震は昨年2月の余震域も含め今月14日までに計4回あった。

 昨年2月の地震では、発生3カ月後の5月14日に福島県沖でM6・3、最大震度4の余震が起きた。規模の大きな余震への注意が今後も必要だ。遠田教授は「時間がたてば余震回数は減っていくが、起こりうる最大余震の規模が小さくなるわけではない。被害を繰り返さないよう、早めの対策を講じてほしい」と話す。

壁が崩れるなど被災し、休業している老舗菓子店=15日、角田市

宮城、福島で住宅損壊1万9471棟

 宮城、福島両県で最大震度6強を観測した3月の地震発生から16日で1カ月。宮城県で2人、福島県で1人が死亡し、両県で207人が負傷した。住宅被害は徐々に明らかになり、両県で全壊103棟、半壊1188棟を含む計1万9471棟。概算被害額は宮城が248億1900万円、福島は少なくとも362億円に達した。

 宮城県の15日正午時点のまとめによると、登米市で1人が死亡。七ケ浜町は15日、町内の70代男性を災害関連死と認定した。負傷者は23市町の計106人(重傷10人、軽傷96人)。仙台市が最多の47人で、白石市は新たに4人の負傷が判明した。

 住宅被害は28市町村の計7887棟。うち全壊は最も多い山元町の10棟を含む計30棟。半壊は新たに判明した石巻市など15市町の計189棟、一部破損は7668棟に上った。

 罹災(りさい)証明書の申請は34市町村の2万1907件に対し、1万259件(42・6%)が交付された。申請数を踏まえると、今後も住宅被害の増加が見込まれるという。

 県内被害額は道路のひび割れなど公共土木施設が72億3700万円。農業関連は農業ハウスのガラス破損や栽培棚の転倒、暖房機の破損などで35億円に上った。新たに被害が拡大した社会福祉施設関連が6億円2900万円。

 福島県の15日時点のまとめによると、死者は相馬市1人。負傷者は17市町の計101人(重傷9人、軽傷92人)。

 住宅被害は1万1584棟で、うち全壊は福島市27棟、相馬市14棟など計73棟。半壊は999棟、一部破損は1万512棟だった。

 罹災証明書は10日現在、37市町村で1万8274件を受け付け、交付済みは6518件(35・7%)にとどまっている。

 県内の被害額(13日時点)は農林水産業関係が約20億円。道路や橋などの公共土木施設は県内323カ所で173億円。被災した中小事業者は少なくとも3176社に上り、被害額は計169億円に達した。

地震の爪痕が残る角田市中心部の商店街

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