松川浦の宿泊施設、全24軒営業中止 2年連続「震度6強」で苦境

壊れた客室の壁や天井を確認する管野さん=相馬市尾浜

 福島県相馬市の景勝地、松川浦周辺の旅館やホテルは震度6強を観測した3月16日の地震で大きな被害を受け、24軒の宿全てが営業中止を余儀なくされている。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に加え、新型コロナウイルス禍と昨年2月に続く2年連続の「震度6強」が追い打ちになり、苦境は深まっている。

 松川浦を見渡す高台に建つ「栄荘」は3月の地震で客室や広間が壊れ、1階のコンクリート床には長さ3、4メートルの亀裂が入った。経営する管野英信さん(54)は「1級建築士の判定では『全壊』。危険で、このままにしておけない」と取り壊しを決めた。15人の従業員と共に片付け作業を続けている。

「もういい加減にして」

 昨年2月の地震で被害を受け、他の旅館と一緒にグループ化補助金を活用して補修を進めていた建物は今月末、最後の外装工事が終わる予定だった。震災を含め11年で3度の地震被害に見舞われ「もういい加減にしてくれ、という気持ち。客が安心して泊まれるよう、耐震性を高める工事にも補助金が使えるようにしてほしい」と訴える。

 旅館「かんのや」は3月の地震で新館と旧館のつなぎ目がずれた。天井や壁も崩れ、トイレの温水洗浄便座が横倒しになった客室もある。昨年の地震で被害を受けた際は地震保険で修理した。経営者の管野拓雄さん(63)は「資金的には厳しいが、今回はグループ化補助金の申請をして、何とか営業再開にこぎ着けたい」と話す。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る