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「記憶の素描」(7)鳥の季節に-石沢麻依(芥川賞作家)

 3月の終わりに夏時間が始まった頃から、昼が夜を押しやるようになってきた。夜8時過ぎになってようやく陽(ひ)が沈むが、長い夕暮れはどこか白いという印象を帯びている。日没時には、温かな橙(だいだい)と黄金の色彩が空を占めようとも、引き延ばされた黄昏(たそがれ)までの時間はどこまでも白く、その白は絵画の…

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記憶の素描

 仙台市出身の芥川賞作家石沢麻依さんのエッセーです。ドイツでの生活で目にした風景や習慣の妙、芸術と歴史に触発された思い、そして慣れ親しんだ本や仙台の記憶を、色彩豊かにつづります。

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