丹精込めた手打ちそば、廃校舎へいらっしゃい! 宮城・川崎に5月1日開店

プレオープンで振る舞われた天ぷらそばを堪能する住民

 少子化の影響で2021年3月末に廃校となった宮城県川崎町の旧前川小校舎を再利用し、地元の重機販売会社が5月1日に手打ちそば店をオープンさせる。子どもたちの声が響き、地域のよりどころでもあった場所で、にぎわいの復活や農産物の地産地消、雇用の創出などに取り組み、住民の手による地域活性化を目指す。

地元企業、にぎわい復活へ活用

 そば店を開くのは同町のサン・モータース合同会社の大宮正春代表(74)。旧校舎の視聴覚室だった場所に24席を用意する。店の名前は「前小庵」。廃校前まで住民に親しまれた学校の呼び名を取り入れた。

 営業は土日のみ。同町産のそば粉や野菜を使った手打ちそばを振る舞う。メニューはもりそば(750円)、天ぷらそば(1100円)など温冷6品。そば愛好家の同社スタッフが丹精込めてそばを打つ。

 店内には「峩々(がが)」「再拝山」「大森」など学校周辺の16の集落名が毛筆で掲示されている。来店客に地域を知ってもらおうと、同校卒業生で現在は仙台育英高書道部で活躍する大宮星奈さん(17)がしたためた。

 校舎内は店舗に再利用した部分を除き、廃校前の状態を残している。廊下には当時の児童の写真や賞状などが飾られていて、楽しかった学校生活を伝える。

 大宮社長は廃校後、少子高齢化で衰退の一途をたどる地域を危惧し、住民に呼びかけ、21年11月に「前小活用協議会」を結成した。旧校舎を活用した活性化策を検討し、手打ちそば店に決定。今年3月に町と5年間の賃貸借契約を結んだ。

 店のフロア担当は当面、同社スタッフが務めるが、いずれはパート従業員を募集し、地元に雇用を生み出したい考え。他の教室や体育館を再利用したテナント募集、イベント開催なども検討していく。

 4月はプレオープンとして4、5回に分けて約130人の住民に天ぷらそばを振る舞った。招待された大宮喜久江(71)さんは「のどごし、硬さともちょうどいい。気軽に集まれる場所ができた」と喜んだ。

 大宮社長は「移住者による地域おこしが増えているが、地元の力で活性化に取り組みたい」と話した。

 営業時間は午前11時~午後2時。連絡先は0224(84)5001。

廃校となった旧前川小の校舎

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