東北の観光地 水差す雨、人影まばら GWスタート

あいにくの雨で人通りも少ない鳴子温泉の商店街

 ゴールデンウイーク(GW)初日の29日、東北の観光地は新型コロナウイルス下で3度目となる春の行楽シーズンを迎えた。県境を超えた移動制限もなく、出足が良かった午前とは対照的に、雨や雪が降り出した午後は人影がまばらに。連休は静かな幕開けとなった。

 宮城県大崎市の鳴子温泉は午後あいにくの雨に見舞われ、客足が止まった。

 温泉旅館「扇屋」は5月4日まで予約でほぼ埋まったが、大崎隆光社長(42)は「客室の定員を6~7割に抑えている。昨年、一昨年はゼロで比較にならない」と冷静に受け止める。

 こけし製造販売の「岡崎斉の店」は、こけし柄のTシャツの販売を28日に始めた。岡崎律子店長(71)は「温泉街を歩く観光客は少ない。お客さんに関心を持ってもらうため、店は開け続けたい」と意気込む。

 仙台市中心部の街並みを一望できる仙台城跡(青葉区)は午前、多くの観光客が訪れた。

 最大震度6強を観測した3月の地震で傾いた仙台藩祖伊達政宗の騎馬像は修復中。シートで覆われ見ることができない仙台の象徴は28日、ほぼ実物大の写真がシートに取り付けられ「仮復旧」した。

 横浜市の会社員伊藤悠理さん(44)は「実物が見られないのは残念だが、写真ときれいな街が見られた」と満足した様子だった。

 騎馬像近くにある青葉城本丸会館の金木拓也営業部係長(41)は「予想以上の人出だ。今後も期待が膨らむ」と手応えを口にした。

 秋田県を代表する観光名所の仙北市角館町は朝から観光客が訪れたが、駐車場は半数ほどしか埋まらなかった。渋滞も発生しなかった。武家屋敷などで人力車3台を走らせる「角館絆屋(きずなや)」には午前、団体客の予約が入った。ただ、太田慎吾代表(35)は「新型コロナ前と比べ、人出は5割程度。例年の6~7割になりそう」と見通しを示した。

 「角館の桜まつり」期間中だが、桜はほとんど葉桜になった。富山市の無職沢田儀一さん(79)は「満開の桜は見られなかったが、緑が美しい。武家屋敷と樹木に歴史を感じた」と満喫していた。

 山形市山寺の立石寺は午後1時ごろから雨が降り出し、参拝客は1015段の石段を傘を差して上った。名物の五大堂は連休と思えないほど閑散としていた。

 山門前で土産物店を営む石山玲子さん(74)は「(往来の自粛要請があった)昨年よりも動きが少ない。連休中の出足がどうなるか心配だ」と不安げだった。

 住職の清原正田(せいでん)さん(73)は「県境を超えた移動自粛の要請も解除されている。たくさんの人に足を運んでもらいたい」と期待した。

仙台城跡の天守台から市街地を見下ろす観光客
新緑に包まれた仙北市角館町の武家屋敷通りを人力車で楽しむ観光客
雨が降り観光客が少ない山形市の立石寺

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る