河北新報社の新聞記事の画像を無断で会員制交流サイト(SNS)に転載したとして、仙台中央署は17日、著作権法違反の疑いで、宮城県美里町、契約社員の男性(44)を書類送検した。
送検容疑は2021年7月18~23日、河北新報朝刊に掲載された記事をスクリーンショット(画面保存)した画像7点をインスタグラムに無断で転載し、河北新報社の著作権を侵害した疑い。24時間後に投稿が自動削除されるストーリーズの機能を使ったとみられる。
無断転載された記事は、スポーツ面に掲載された野球に関連する内容が中心だった。東京五輪で金メダルを獲得した野球日本代表やプロ野球東北楽天の動向を伝えるものもあった。
河北新報社の取材では、男性のインスタのアカウントには16年7月から記事の画像がアップされ、総数は千数百点に上る。最初は野球の観戦記録やスイーツ、カクテルなどの写真も含まれていたが、後半はほぼ全てが記事の複製画像だった。
再三の削除要請に男性が応じなかったため、河北新報社が21年11月、同署に告訴していた。
男性は中央署の任意の事情聴取に「閲覧者に褒めてもらって、自己満足したかった」などと話した。
デジタル社会の進展に伴い著作権侵害による被害が相次いでいる。複製のしやすさから広告料目当てに違法にネット上に掲載(アップロード)するケースが大半を占める。文化庁は法改正を重ねて権利保護に努めるが、潜在的被害は膨大になるとみられる。
コンテンツ海外流通促進機構(CODA)の推計によると、2019年に違法コピーされた日本製コンテンツの流通規模は1兆9045億~1兆9859億円相当。うちコンテンツが購入される割合を勘案した推計被害額は3334億~4300億円に上る。
新聞や漫画を含む出版分野の被害額は推計1408億~1552億円。新聞記事だけの被害全体像は「把握していない」(日本新聞協会)が、18年にはネットのまとめサイトで河北新報社が加盟する共同通信社など7社の記事や写真34万件の無断掲載が発覚する事例もあった。
20年には著作権法改正で利用者側の規制を強化。漫画や新聞記事を含む侵害コンテンツ全般のダウンロード行為を刑事罰の対象にした。ただ検索行為が知る権利につながることもあり、閲覧は罰則対象から外れている。
時代に合わせて改正を繰り返した結果、法律が複雑化して利用者の理解が追い付いていない面もある。
例えば学校の対面授業で記事のコピー配布が無償で認められる一方、ネットだけの授業は制約が生じる。塾の授業や企業内でコピー配布や回覧する場合も著作権者の許諾が必要だ。引用や要約にもルールがあり、簡単には理解しにくい。
文化庁著作権課の担当者は「違法行為への対策を強化するだけでなく、正しい利用につながる普及啓発にも力を入れたい」と話す。
誰もが情報発信できる時代になり、違法に転載されたコンテンツがネット上に氾濫するようになった。情報そのものを商品にしている新聞社にとってダメージは大きい。経営が弱体化して商品が縮小再生産されるようになると、公平な言論が減ってしまい中立的な立場で地域の情報を支える存在がなくなってしまう。価値のある情報にお金を払うのは当然という価値観を今以上に個人、社会で醸成していく必要がある。
<河北新報社の見解>
著作権法違反の疑いで宮城県美里町の男性が書類送検された事件は、河北新報社の記事を許諾を得ずに長期間かつ大量にオンライン上の会員制交流サイト(SNS)に投稿したため、弊社が刑事処分を求めたものです。
男性は、河北新報社と弁護士からの数度にわたる警告を無視し、記事の削除に応じませんでした。期間の長さ、量の多さ、さらに警告を無視する悪質性に鑑み、刑事告訴に踏み切りました。
一方、河北新報オンラインニュース上にあるSNS投稿ボタンを利用し、記事をインターネット上にアップ(掲示)する行為は何ら問題ありません。オンラインニュースにアップした記事は、リツイートなど拡散を前提としているためです。
それ以外の記事を撮影したり、スクリーンショットしたりするなどした複製画像をインターネット上にアップする行為は、河北新報社の許諾を得ていない場合、著作権法違反に問われる可能性があります。
教育や研究目的などの場合は許諾なしに利用できる規定が著作権法にあり、不明の方は河北新報社までお問い合わせください。
連絡先は河北新報社読者センター022(211)1447。
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