宮城・南三陸 カフェ「かなっぺ」再開 体に優しい味追求

自家製野菜がたっぷり入った「季節野菜のペペロンチーノ」

 宮城県南三陸町歌津の飲食店「かなっぺ」が新型コロナウイルスなどの影響による2年間の休業を経て「オーガニックカフェかなっぺ」としてリニューアルオープンした。自家栽培の野菜や日本農林規格(JAS)の有機JAS認証を取得した食材を使い、調味料まで化学物質不使用を貫いた料理を提供する。店を営む夫妻は「自分にも地球にも優しい食を味わって」と願う。

「オーガニックカフェかなっぺ」を切り盛りする嘉苗さん(左)と馨さん

有機食材を使用、調味料も厳選

 カフェがあるのは海を望む高台のトレーラーハウス。「季節野菜のペペロンチーノ」(2000円)には三つ葉やセロリ、ホウレンソウ、皮ごとのニンジン、ジャガイモなど20種類以上の野菜がたっぷり。麺には全粒粉を使っている。

 メインメニューはパスタだが、動物性の食材は地元産カキと羊乳のチーズのみ。シェフで妻の千葉嘉苗さん(54)は「納得いく物だけを食べてもらい、幸せを感じる」と話す。コーヒー(400円)はフェアトレードを意識した東ティモール産。食器洗いにも無添加のせっけんを使う徹底ぶりだ。

 横浜市出身で元会社員の嘉苗さんは、東日本大震災直後にボランティアとして町内に入ったのが縁で、水産加工会社に勤務していた歌津出身の馨さん(47)と2012年に結婚。「避難所がなくなっても集まれる場所を」と翌13年、2人で飲食店を始めた。

 当初はフレンチトーストなどを提供する一般的な店だった。嘉苗さんは大人数の客に対応したり、アレルギーを聞き取れず客が料理を残したりすることに、次第にストレスを感じるようになった。体調不良にコロナ禍が重なり、20年2月から休業した。

 「この機会に方向性を考え直そう」と決めた2人。嘉苗さんは元々わずかな食品添加物にも反応してしまう体質で、馨さんも嘉苗さんの料理を食べるようになるまでは体調を崩しがちだった。「自分たちのような人が外食できる店にしたい」。農薬を使わない野菜づくりに挑戦し、体にいい食材を探し回った。

 昨年7月、くるみ入りパンの製造販売を先にスタート。食材調達にめどが立ち、今年3月26日に店を再開した。完全菜食主義者「ビーガン」にも対応しており、値段は高めでも遠来の客が少なくない。

 「本当にいいものを食べ、心と体の変化を感じてほしい」と嘉苗さん。馨さんは「お店を通じて、安全性や環境への配慮を大事にする農家さんの応援もしたい」と語る。

 店は完全予約制。連絡先は同店0226(25)7638。

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