ARで震災前のまち並み、思い出伝える 旧大川小卒業生・永沼さん

 東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市旧大川小の卒業生で団体職員永沼悠斗さん(27)=石巻市=が7日、拡張現実(AR)アプリを使い、かつてのまち並みや思い出を紹介するガイドを旧校舎周辺で実施した。

スマートフォンで風景を映しながら大川小周辺の思い出を語る永沼さん(右端)

 震災の教訓を新たな手法で伝えようと永沼さんが4月から毎月第1土曜に取り組む活動の2回目で、10人が参加した。

 スマートフォンやタブレットで風景を映すと画面に文字情報が現れるアプリを活用。参加者は「タイムカプセルを埋めた」「豆腐屋があった」といった震災前の思い出や地域の様子が表示された画面を見ながら現地を巡った。

 大川小があった釜谷地区は震災前、139世帯496人が暮らしていた。学校周辺は商店や民家が立ち並んでいたが津波で流され、現在は更地が広がる。

震災前の地域の様子に関する文字情報が映し出されたARアプリ画面

 仙台市泉区の主婦松館靖代さん(80)は「大川小には震災後何度も来ているが、周りにまちがあったとは知らなかった」と話した。

 永沼さんは「津波で亡くなった人々が生きていた証しを残すため、震災前の大川小についてもいろんな角度で伝えたい」と語った。

 次回活動は6月4日、旧校舎隣の大川震災伝承館で、阪神大震災(1995年)の伝承団体とのオンライントークを予定する。

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