蔵王山の火山監視カメラ、通年始動 冬季も「お釜」映像配信

 宮城、山形両県にまたがる蔵王山(蔵王連峰)の火山活動に備えた国の監視カメラの運用が9日、始まった。刈田岳山頂までの電源を確保し、冬季も監視できるようにした。関係機関で動画映像を共有し、災害対応に役立てる。

お釜周辺の動画映像をモニターで確認する運用開始式の出席者=宮城県蔵王町役場

 カメラは東北地方整備局新庄河川事務所が蔵王山頂レストハウス近くの展望台に新設した。事業費は約7億円。約3メートルの支柱の上から火口湖「お釜」の映像を両県や関係自治体、東北管区警察局などに配信する。

 山頂周辺へのカメラ設置は電源確保が課題だった。発電機を使っているレストハウスは夜間や冬季は休館となるため、宮城県蔵王町のすみかわスノーパーク付近から7・7キロにわたって電線と通信ケーブルを新たに整備した。

 冬季は強い季節風が樹氷をつくる過酷な環境となる。今春までの試験運用では支柱ごと氷に覆われ、カメラのケース内側まで凍った。新庄河川事務所は現地視察の結果を踏まえ、熱線の配置を見直して次の冬に備える。

今年3月の視察時の監視カメラ。本格運用に伴い、次の冬は着氷対策に万全を期す

 宮城県蔵王町の町役場であった運用開始式では関係者ら約50人が出席。国土交通省の三上幸三砂防部長が「冬季を含む通年の常時監視で災害時に迅速かつ的確な対応が可能となった」と述べ、村上英人町長は「関係機関と情報共有を深め、監視態勢強化に努める」と語った。

 新庄河川事務所はホームページで10分ごとの静止画を提供している。蔵王町は近く町役場1階ロビーのモニターでも動画映像を見られるようにする予定。

 蔵王山は2018年1~3月、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられるなど活発な火山活動が確認されている。

新庄河川事務所ホームページ

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