宮城、震災の1・2倍浸水 9市町庁舎に津波襲来 県が新たな想定公表

宮城県庁

 宮城県は10日、太平洋側の巨大地震で最大級の津波が発生した場合の新たな浸水想定を発表した。県全体では東日本大震災の1・2倍となる391平方キロが浸水し、被災地の集団移転先やかさ上げ地の一部も含まれる。津波の高さで県内最大は気仙沼市本吉町道外の22・2メートル。第1波の到達時間は、気仙沼、石巻両市で最も早い21分と予測した。

最大津波、気仙沼22・2メートル

 沿岸15市町のうち9市町の役場庁舎に津波が襲来し、多くの避難施設が浸水する。県は沿岸全域の津波浸水想定図をホームページで公表。沿岸市町は新想定を踏まえた地域防災計画やハザードマップ、避難ルートの見直しに入る。

 震災の浸水面積を上回るのは石巻市(新たな浸水面積84・9平方キロ)、仙台市(53・8平方キロ)、東松島市(49・2平方キロ)、亘理町(42・0平方キロ)など13市町。平地が比較的少ない松島町でも震災の3・0倍(6・0平方キロ)、女川町も2・1倍(6・2平方キロ)に拡大する。多賀城市と亘理町はいずれも約57%が浸水する計算。

 庁舎が浸水するのは石巻、塩釜、気仙沼、多賀城、岩沼、東松島の6市と亘理、松島、女川の3町。

 津波の高さは他に、南三陸町で21・2メートル、女川町で20・7メートル、石巻市で19・6メートル。最も低い松島町でも、4・7メートルと見積もった。

 県は(1)東日本大震災級の三陸沖(2)日本海溝(三陸・日高沖)(3)千島海溝(根室・十勝沖)-を大津波を起こす震源に設定。震災とは異なり、満潮時の発生や津波の越流による防潮堤の破壊、地盤沈下といった悪条件を重ねて算出した。

 有識者検討会で座長を務めた東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授(津波工学)は「震災が最悪とわれわれは思っているが、将来を見ると違う。リスクがゼロと思うと対応が遅れる。今回の想定を活用し、一段高い避難態勢の構築が必要だ」と述べた。

 津波浸水想定は、2011年12月施行の津波防災地域づくり法に基づく取り組み。策定を義務付けられた40都道府県のうち、宮城と東京が未公表だった。福島は19年3月、岩手は今年3月に公表し、被災3県の想定が出そろった。

[津波の高さ]海岸線に津波が到達した時の最大の高さで、東京湾平均海面を基準(標高0メートル)として算出した。津波が防潮堤を越えるなどした時の浸水深、海岸到達後に陸地をはい上がる遡上(そじょう)高とは異なる。

宮城県の津波浸水想定(県ホームページから)
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