(270)ほととぎすあすはあの山こえて行かう/種田山頭火(1882~1940年)
山頭火は僧となった後、放浪の旅と一時的な定住を繰り返しながら一生を過ごしました。句集の数行前に「帰庵(きあん)」とあるので、住まいに戻り当面の休息を得た後の句なのでしょう。明日を明るく展望することが…
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- ・(269)筍(たけのこ)や雨粒ひとつふたつ百/藤田 湘子(1926~2005年)
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- ・(267)薔薇匂ふいつも何かの潜伏期/橋本 善夫(1957年~)
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- ・(265)いくたびも揺るる大地に田植かな/長谷川 櫂(1954年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。