ウクライナの学生からヘルプメール 東北大に受け入れ求め続々と

 ロシアの侵攻が続くウクライナの学生から東北大に受け入れを求めるメールが続々と届いている。街が破壊され、学業の中断を余儀なくされた苦境を訴え、受講可能なプログラムを尋ねる内容が大半だ。戦禍の困難の中でも消えない学びへの熱意が文面ににじむ。

 「警報が響き、ミサイルや戦闘機が飛んでくる。近くで爆発が起きると、怖くて眠れない」(8日)

 首都キーウ(キエフ)の医科大3年の女性は教員や学生が国外に避難し、十分な学習環境が失われたと説明。子どもの頃から日本に関心があるとして「安全な場所で学び続けたい。東北大で機会を得るにはどうしたらいいか」と尋ねた。

 第2の都市ハリコフの大学で国際ビジネスを学ぶ女性は、2014年に出身地の東部ドネツクが親ロシア派武装勢力に実効支配されたためハリコフに移住し、再び戦乱に巻き込まれた。ウクライナ軍のために迷彩ネットを編むボランティアにも参加した。

 「美しい国だったのに、爆弾や侵略者から逃げなければならない。大学も自宅も破壊され、両親は失業した」(4月12日)と悲痛な心情をつづり「経済的支援を受けて大学に入れるだろうか」と問いかけた。

 日本語で書かれたメールもある。日本語学校で2年間勉強し、計算機科学を専攻するキーウの大学4年の男性は「戦争で大学院入試が中止された。非正規学生のプログラムに参加できればうれしい」(5月5日)と期待する。

 国外に避難した学生からも支援を求める声が届く。西部リビウの大学出身の若者は「ウクライナでは未来が描けず、国外に逃げた。故国の罪のない人々が亡くなるニュースに触れるたびに心が折れる」(7日)と吐露する一方、「未来のために学び続ける情熱がある。心理学や社会学の講義を受けたい」と意欲を示す。

ウクライナの学生たちが東北大に送ったメールの一部。日本語で書かれたものもある

1日5~10通

 東北大によると、18日夕までにウクライナの学生から寄せられたメールは157通に上る。

 4月上旬に学生受け入れのための支援サイトを開設する直前に初めて届き、下旬からは1日5~10通のペースに増加。大半が20代前半とみられ、性別が分かる範囲では男性34人、女性31人。同国在住者と国外避難者の双方から届く。

 窓口となる国際サポートセンターの担当者は「文化や言語が大きく異なる遠い日本にこれほどの問い合わせがあり、驚いている」と語り、「厳しい状況でも学ぶことを諦めない学生が、比較的早く支援を始めた東北大にたどり着いたのではないか」とみる。

 留学生受け入れの豊富な実績や質の高い教育と研究も学生を引き付ける。4月下旬から照会が増えている背景には、ロシア軍がキーウから撤退するなど戦況が変わり、将来を考える余裕が少しずつ出てきたことも影響しているとみられる。

 同大は希望する学習内容などを確認した上で非正規学生として受け入れ、秋に開講する交換留学生用の既存プログラムを受講してもらう方針。条件や技能が合えば、工学系研究室とのマッチングも検討する。渡航手続きや宿舎の無償提供、日本語教育など生活面でもサポートする。

 同大は4月末、ウクライナから避難した男性准教授の両親2人を受け入れた。

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