テレワークの浸透、障害者就労に追い風 通勤不要、地方OKでハードル下がる

 新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの浸透が、東北の障害者にとって就労の追い風になっている。在宅で仕事がこなせるため通勤の必要がない上、地方在住でも就労先の選択肢が広がるためだ。ただ業務内容が障害者の希望と一致しないケースも多く、企業側とのマッチングが課題となっている。

テレワークで入力の仕事をする和田さん=仙台市若林区の自宅

課題はマッチング

 仙台市若林区の和田愛冬(あいと)さん(20)は2020年12月から、重度の身体障害がある人を在宅雇用する「スタッフサービス・クラウドワーク」(相模原市)で契約社員として働く。グループ企業の顧客情報をパソコンで入力する業務に当たっている。

 脳性まひの影響で手足に障害がある和田さんは、月-金曜の午前9時~午後4時、休憩を挟みながら自分のペースで働く。「体への負担が少なく、安心して働ける」と話す。

 同社では契約社員として全国2府29県の361人が働く。うち東北6県は81人。2019年45人、20年58人、21年69人と着実に増えている。東北エリア推進課マネジャーの鍋内和博さん(45)は「通勤は障害によっては心身ともに負担が大きい。在宅なら家族にも安心してもらえる」と利点を挙げる。

交流絶やさず

 同社では5~15人の障害者がチームを組んで分業している。1日3回のオンライン会議で、仲間同士で業務の進行状況を確かめたり、雑談を楽しんだりする。在宅でも人との交流を絶やさず、社会経験を積めるよう会社側が配慮した。

 和田さんも会議中、ご当地ラーメンなど身近な話題で盛り上がる。「仲間と話をするのは楽しい」と笑顔を見せる。

 ただ、全ての障害者が希望の仕事に就けるとは限らない。

 全国30拠点で障害者の就労を支援する企業「manaby」(マナビー、仙台市)では、在宅での職業訓練の受講を希望する人が増加している。在宅受講の割合は20年4月の19%から22年4月には28%になったが、在宅就労はそれほど増えていないという。

 同社仙台駅前事業所管理者の佐々木萌(めばえ)さん(26)は「ほとんどの企業が求めるのはデータ入力など簡易作業をこなす人材。利用者からはデザインやプログラミング、記事作成といったクリエーティブな仕事の希望が多い」と説明する。

 厚生労働省によると、全国の民間企業の従業員に占める障害者の実雇用率は21年に過去最高の2・2%になったが、法が定める2・3%には届いていないのが実情だ。「在宅ワークの浸透もあり、就業する企業を開拓する余地はある」と佐々木さん。障害者の就労に向け模索を続ける。

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