特殊詐欺、接触型が急増 コロナ慣れにつけ込む

 高齢者宅を直接訪れて現金やキャッシュカードをだまし取る「接触型」の特殊詐欺被害が、宮城県内で増えている。新型コロナウイルス下で一度影を潜めていたが、今年3月以降に増加し、典型的な「キャッシュカード詐欺盗」は特殊詐欺認知件数の半数以上を占める。県警は「コロナ慣れに合わせた動き」とみて警戒を強めている。

捜査員に取り囲まれ、逮捕された受け子とみられる男=19日午後2時50分ごろ、仙台市太白区

自宅訪問のハードル下がる 宮城県警が注意呼びかけ

 19日午後2時15分ごろ、閑散とした仙台市太白区の商業施設駐車場。車内にいたスーツ姿の男(22)に、県警の捜査員2人が声をかけた。男は促されるように車外に出て、事情聴取を受けた。その後、若林署員を名乗り90代女性からキャッシュカード2枚を盗んだ容疑で、現場で逮捕された。

 男は住居不定の自称解体工。高齢者宅を訪れ現金やキャッシュカードを盗む「受け子」で、指示役からの連絡を受けるため、駐車場で待機していたとみられる。「スーツは警察官を装うためだろう」と県警組織犯罪対策課の幹部は話す。

 特殊詐欺は、容疑者が被害者宅を訪れる「接触型」と、被害者に現金を振り込ませる「非接触型」に大別される。

 2021年に目立ったのは非接触型だ。新型コロナウイルスの感染拡大局面で自宅訪問のハードルが上がったためとみられ、認知件数(280件)のトップは非接触型の架空請求詐欺(87件)で、同じ非接触型の還付金詐欺(55件)が続いた。接触型のキャッシュカード詐欺盗(54件)は3位、おれおれ詐欺(37件)は5位だった。

 状況は今年3月以降、一変した。今月20日までの2カ月余りの認知件数(48件)の1位は接触型のキャッシュカード詐欺盗26件で、同じ接触型のおれおれ詐欺(7件)が2位。非接触型の架空請求詐欺(6件)は3位、還付金詐欺(3件)は5位と順位を下げた。

 理由ははっきりしないが、県警は「コロナが日常になって自宅訪問への警戒のハードルが下がり、増えた可能性がある」と推測。首都圏から送り込まれた犯行グループの受け子や指示役が連携し、詐取するケースが増えているとみている。

 県警組織犯罪対策課特殊詐欺対策室の担当者は「予兆の電話があれば迅速に初動捜査を展開する。高齢者の方々には、息子や警察官らを名乗る電話を安易に信用せず、被害防止に努めてほしい」と呼びかける。

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