(286)薫風のめくるシベリア画集かな/増田 三果樹(1922~2014年)

 作者は本名増田幸治、福島県桑折町出身で「異国の丘」の作詞者である。「今日も暮れゆく異国の丘に~」。シベリア抑留中の強制労働や極寒の中、皆が口ずさみ励まし合った歌といわれる。俳句の仲間で、私より30歳以上年長だったが謙虚で優しい人だった。「シベリア画集」は香月泰男が過酷な抑留体験を描いた画集。薫風は平和な世であればこそ感じることができるが、果たして今はどうか。俳号は果物の花咲く故郷から。句は私が三果樹さんから頂いた自筆短冊より。(永瀬十悟)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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