ブラックホールは「究極の飲んべえ」 国立天文台水沢VLBI観測所の本間所長ら講演

 世界で初めて天の川銀河中心にあるブラックホールの撮影に成功した国際チームに参加する国立天文台水沢VLBI観測所(岩手県奥州市)の本間希樹所長と秦和弘助教の講演会が4日、仙台市青葉区の市天文台であった。愛好家約140人が最先端の研究者によるユーモアを交えた解説に耳を傾け、ブラックホールの特徴や研究の展望について理解を深めた。

 本間氏は、ブラックホールは入った物を全て飲み込み、光さえ脱出できないと説明し、「人間に例えると、究極の飲んべえ。いくらでも飲んで絶対に吐かない」と説明した。

 2019年発表の「M87」に続き、今年5月には天の川銀河中心の「いて座Aスター」の撮影に成功したと公表。「地球から一番近い巨大ブラックホールで、重さや距離がM87より高い精度で分かる。その結果、アインシュタインの一般相対性理論がどこまで正しいかの検証にうってつけだ」と意義を強調した。

 秦氏はブラックホールが大きいほど、ブラックホールが存在する銀河も大きくなる関係性を「人の身長が銀河とすれば、ブラックホールの大きさはせいぜい細胞1個。細胞1個に全身が支配されているようなこと」とブラックホールの謎を提起した。

 「答えの一つがブラックホールから銀河の外に向かって膨大なエネルギーが噴出する『ジェット』という現象。市天文台からJR仙台駅前の花にピンポイントで水やりできるくらい細く絞られ、とても速い。ジェットの付け根を詳しく観測するのが重要だ」と今後の研究テーマを紹介した。

 講演を聞いた宮城教育大付属小(青葉区)2年の佐藤龍君(7)は「ブラックホールを酒飲みに例える話が面白かった。知らなかったことを学べることができて良かった」と感想を語った。

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