山形・村山を新体操の街に 強豪大出身者が指導

 昨年の東京五輪で金メダルに輝いたブルガリア新体操代表のホストタウンとなった山形県村山市で4月、新体操の強豪日本女子体育大を3月に卒業した藤井雅(みやび)さん(22)が地域おこし協力隊に就任し、市のクラブ「むらやま新体操教室」の強化を任された。新体操を通じた町おこしを目指し、普及や実力の底上げを図る。

リボンの演技を実演しながら指導する藤井さん(左)

合宿・大会の誘致を目指す

 「先生は授業中も足の指の柔軟体操をしていたよ」

 市内の体育館で5月中旬、藤井さんが経験を生徒に話すと、驚きの声が上がった。この日指導したのは4月に新設された「育成クラス」の小・中学生9人。柔軟性を高める体操や技の訓練、リボンの演技に約2時間半励んだ。

 藤井さんは東京都出身。4歳で新体操を始め、2018年の大学入学後は団体メンバーの一員として全日本選手権大会で3連覇を果たした。指導者となるのは現役時代からの夢。「体が動くうちは何でもやってみせてあげたい」と実演を交えた指導を心がけている。

 教室は市がホストタウン事業の一環で19年、未来のオリンピアン輩出を目標に創設した。現在未就学児から中学生までの7クラス45人が在籍する。本格的な選手強化に乗りだそうと競技経験者を探していたところ、藤井さんが手を挙げた。

 教室の佐藤悦子代表は「クラブのレベルを上げるには、藤井さんのような最新の指導法を心得ている人材が必要だった」と語る。

 同市の実力は、まだまだ全国レベルには及ばない。近年は大阪や東京といった大都市圏に指導者が偏り、東北全体で大きく差を広げられている状況という。

 藤井さんは「全国で選手が育たなければ、日本全体のレベルも上がらない。強豪校が集まる首都圏よりも、指導にやりがいを感じる」と語る。

 一方で、村山市の練習環境は国内でも指折りという。市の広い体育館に加え、ホストタウン事業で専用のマットや道具も整備された。「事業を通じて新体操の知名度も上がっており、選手を発掘し育てるには今がチャンス」と意気込む。

 当面の目標はチームからの全国大会出場。藤井さんは「チームの活躍を通して『新体操の街』として村山をPRし、将来的には合宿や大会で全国から選手が集まる場所になるといい」と話す。

リボンの演技を指導する藤井さん(左)

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