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(299)泣き出せば押し寄せて来る夏の山/永瀬 十悟(1953年~)

 俳句には自然との存問のような性格がある。泣きたいとき、思わず涙が溢(あふ)れたとき、感情の波が青々とした山から押し寄せてくるようだ。山にまつわる季題は、秋は「山粧ふ」、冬は「山眠る」、夏は「山滴る」。瑞々(みずみず)しい緑から「滴る」と言うが、緑の濃淡は感情の起伏にも似る。悲しいときには、物を言わ…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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