(300)梅雨傘の重みに馴れて来て楽し/星野 高士(1952年~)

 各地が梅雨入りしています。どんよりした雲、雨が降っていなくても湿り気を帯びた風。いつ降るかもしれないので、出かけるときには傘をまめに持ち歩いています。荷物が増えるのは億劫(おっくう)ですが、一方でその重みにだんだんと楽しさを見いだしているのがこの句。閉じた傘を持っているのかも、雨に差している傘かもしれません。傘の重心や雨をはじく音、それは雨時期に味わえる感触です。季節への小さな気付きが心を軽くする妙薬なのかもしれません。句集『顔』より。
(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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