デスク日誌(6/23):連載小説

 どんなに好きなことでも仕事になった途端に苦痛になるのはよくある話。思い付いた時に楽しめないし、責任や義務が伴うようになるからだろう。ただし例外もある。

 今春から朝刊の連載小説「娘が巣立つ朝」の最終確認を担当している。回数は合っているか。脱字や体裁の乱れはないか。当初は文字を追うので精いっぱい。楽しむなんて程遠い状態だったが、いつしか内容に没頭するようになった。

 こんなに新聞小説を読み込むのは40年近くなかった経験だ。中学生の頃に本紙に連載されていた高橋克彦さんの「総門谷」以来となる。ジャンルは伝奇SF。アイザック・アシモフ(故人)や星新一(同)の作品しか知らなかった子どもには新鮮だった。内容はもちろん挿絵が抜群に格好良くて、毎朝が楽しみだった。

 現在連載しているのは娘の結婚を巡る家族の物語。登場人物の世代も近い。一つ一つのエピソードが共感を誘う。思わず感情移入してしまう。

 編集者の特権と言えるだろうか。数日先の分を先読みできるのも喜びの一つ。おっといけない。また仕事なのを忘れそうだ。(生活文化部次長 斎藤秀之)

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