500円玉よりも大きいサクランボ新品種、「やまがた紅王」デビュー

記念イベントに参加し、やまがた紅王を味わう木の実こども園の園児=23日

 山形県が開発したサクランボの新品種「やまがた紅王(べにおう)」が23日、県内や首都圏で市場デビューした。500円玉よりも大きく育ち、パリッとした皮が特長。今季は約6トンの出荷を見込み、本格的な販売は来年始まる予定。生産量日本一を誇る県は、広く普及している「佐藤錦」「紅秀峰」と並ぶブランドを築こうとする。

佐藤錦の一部転換図る

 県などは同日、山形市の旧県庁「文翔館」で記念イベントを催した。吉村美栄子県知事は「20年以上の歳月を要し、わが子を見守るような思い」と述べた。木の実こども園(山形市)の園児約10人がやまがた紅王を味わった。

 生産は県内の果樹で初めて登録制とし、実の大きさなどの規格を定めた。昨年度までの4年間で、2386の生産者に計2万6181本を供給。紅秀峰は2万本を超えるまでに5年かかっており、県園芸大国推進課は「新品種に対する期待の表れではないか」とみる。

 やまがた紅王の収穫期は6月下旬~7月上旬ごろ。導入には、6月中旬から下旬が収穫期の佐藤錦の一部を転換する狙いがある。県内のサクランボの栽培面積は佐藤錦が7割を占める。果肉が柔らかい上、高温と園地の労働力不足もあり、収穫期後半は果実の傷みや熟し過ぎが相次いでいた。

 寒河江市で2018年から苗木を15本育てる秋葉尚弘さん(67)は「日持ちが十分ではない佐藤錦を紅王がカバーし(7月上旬の)紅秀峰につなげたい」と語る。試食した感想を「爽やかな味」と笑顔で振り返った。

 県の調べによると、山形市内の価格は100グラム入りのパックで2000~5000円。無断栽培を防ぐため中国、韓国、オーストラリアなど7カ国で品種登録の手続きを進め、輸出も視野に入れて生産を拡大する。

市場デビューした大玉のやまがた紅王
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