サクランボの大玉品種を巡り、産地間競争が激化している。本格デビュー4年目を迎える青森県の「ジュノハート」と今年プレデビューする山形県の「やまがた紅王」。青森県が先行するが、収穫量はともに約6トンの見通し。販路は東京や大阪など大都市圏に集中し、市場の奪い合いは必至だ。日本一のブランドの座を懸けた戦いを制するには、顧客の心をつかむ販売戦略が欠かせない。
(青森総局・伊藤卓哉、山形総局・栗原康太朗)
ジュノハートとやまがた紅王は、高級品種「紅秀峰」を交配親に持ち、肉厚で硬めの食感が特徴。糖度は約20度と甘い。開発には20年以上を要し、サクランボの代表格「佐藤錦」などに続く新たなブランドとして誕生した。
ともに大玉だが、出荷基準のサイズに差がある。ジュノハートは、主に3L(直径28ミリ以上)から4L(31ミリ以上)まで。やまがた紅王は、2L(25ミリ以上)から4Lまでと幅が広い。少数精鋭で希少性を高めたい青森県と、流通量を今後増やしてブランドの認知度を上げたい山形県で、戦略の違いが浮かび上がる。
両県が力を入れるのは、最高級ブランドの確立だ。青森県は4L以上で高品質の果実を「青森ハートビート」として販売。昨年は1箱(15粒入り)が最高額45万円で落札された。
青森県三戸町の果樹農家山田仁志さん(54)は「出荷まできれいなハート形とあでやかな色合いを保つには高い技術が必要」と説明。「手塩にかけて育てた『箱入り娘』はまさに芸術品。どのサクランボにも負けないブランド力がある」と自負する。
対して、サクランボの国内シェア約7割を誇る山形県も追随する。2023年には青森の最高級と同様の規格で「プレミアムやまがた紅王(仮称)」を発売する予定。県園芸大国推進課の深瀬靖課長補佐は「最上位の規格を設けて商品に高い値段が付けば、生産者に張り合いが出る」と期待する。
両県は、贈答品として需要を見込む。主戦場となる大都市圏でのファン獲得のため、売り込み方法に工夫を凝らす。青森県は本年度から百貨店のEC(電子商取引)サイトを増設。山形県は都営地下鉄でのPR動画の放映やスイーツフェアを開催するなど、販促に乗り出す。
弘前大農学生命科学部の石塚哉史教授(農業経済学)はジュノハートについて「新型コロナウイルスの影響でネット販売は好調で、ECサイトの強化は効果的だ。作り手の思いやこだわりなどのストーリー性をせり出すことで付加価値を高めれば、より人気は高まる」と解説する。
やまがた紅王に関しては「数年後には物量で圧倒し、全国的な認知度は高くなる。サクランボと言えば山形というイメージも後押しするだろう。量が増えれば品質にばらつきが出る可能性もあり、注意が必要だ」と指摘する。
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