(315)目礼の距離を詰めざる人涼し/大島雄作(1952年~)
「涼し」というのが夏の季語なのは、焼けつくような暑さの中でわずかに感じる涼しさも嬉(うれ)しく感じるからです。どんなときに涼しく思うのかは俳人の目の付けどころですが、この句では会釈した方のそれ以上は…
関連リンク
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- ・(310)水族館の夜に陸族ひとり視(み)られ/赤野四羽(1977年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。