若者の価値観受け入れて 先読み!とうほく経済ーー佐藤律子

「男と女の職場学」(3)

 文明論的に見ると時代はどこに向かうのか。多様性の時代に企業や職場はどうあるべきか。「とうほく経済」に求められる視座を週1回、4人の識者・経済人に輪番で発信してもらう。

■リモートワークが理想

佐藤律子さん

 人口減少が著しい日本社会で若者の希少価値は高まる一方です。若者自身も「自分は特別な存在」と潜在的に感じています。

 背景にはSNS(交流サイト)も関係しています。SNSに投稿した写真や文章に「いいね!」が付くことは称賛であり、それで特別感が満たされるのです。

 これは「自分自身の市場価値を高めること」と通じています。だから自分のなりたい姿に近づくことにも意欲的で、スキルを身に付ける努力を惜しまず勉強に励む一面もあります。

 そんなZ世代(16~25歳)や一部若年のミレニアル世代(26~40歳)の長所は、前回コラムでお伝えした通り、調和的で優しいところ。個人主義も強いので、わざわざ他人の足を引っ張るようなこともしません。

 知人から聞いた話ですが、昭和時代の人気歌手尾崎豊さんの名曲「15の夜」や「卒業」を若者に教えたら、「どうしてバイクを盗むの?」「どうして校舎の窓を壊すの?」「どうしてそんな悪いことを誇らしげに歌詞にするの?」と真顔で聞かれたそうです。これぞ世代間ギャップですね。

 今の若者の理想の働き方は、仕事とプライベートを分けてバランスを取るだけではなく、どちらも人生を充実させる大切な要素としてうまく連結させる「ワーク・ライフ・インテグレーション」です。まさに新型コロナウイルス禍で加速したリモートワークが当てはまります。

■世代混在が今の職場

 他にも複数の仕事を掛け持ちしたり社外で社会活動を行ったりする「パラレルキャリア」、ネットを通じて単発の仕事をする「ギグエコノミー」といった働き方に抵抗がなく、その中で自分らしさを大切にしながら仕事をしたいと考える世代です。

 男女問わない育児休暇、長期休暇、場所や時間を選ばない勤務形態…。つまり、残業が少なく、休みの融通が利いて、有給が取りやすい会社が人気なのは必然です。昭和世代は「何のこっちゃ?」「世の中そんな甘くない!」と思うかもしれませんが、これが令和に求められる働き方です。

 私はイベントの企画・運営などを行う会社も経営しており、塩釜市に本社、東京・銀座にサロンがありますが、ほとんど出社せず自宅で働いています。そして全国にいる異性間コミュニケーション協会の認定講師と、毎日のようにオンラインでミーティング。時間や場所に縛られない、まさに今どきの働き方です。

 昭和世代の上司とZ・ミレニアル世代の部下が混在するのが、今の職場です。真逆の価値観をぶつけ合ってもかみ合いません。特に上司が若手に価値観を一方的に押し付けたら、パワハラの恐れさえあります。このコラムがそんな職場に一体感をもらたす一助になればと思います。
(異性間コミュニケーション協会代表=塩釜市在住)

[佐藤律子(さとう・りつこ)さん]1972年、宮城県塩釜市生まれ。仙台市内のホテルなどに勤めて婚礼を企画した経験を元に2001年、「アートセレモニー」(塩釜市)創業。全国の自治体で婚活や「モテ講座」などを手がける。16年、異性間コミュニケーション協会を設立。育てた認定講師は全国に200人を超える。近著「夫を変える! 魔法の言い方」など著書は8冊。娘は台湾の大学に留学中で、自社取締役の夫と2人暮らし。

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