(338)蜘蛛を逃すつかのま風のなかにいる/原 麻理子(1987年~)
歩いていると、ブワッと顔に嫌な感触。納豆の糸みたいに蜘蛛(くも)の巣が顔に付くことがある。最悪だ。とっさに振り払うと、おや、蜘蛛。触るのも嫌なところをそっと逃してやる。顔に付いた糸が取れて、すうっと…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。