懲戒解雇の農協元職員、経緯言わず町議当選 山形・庄内町 農協は名前伏せ公表

 顧客の住宅ローン抵当権を無断で解除したとしてJA庄内たがわ(山形県鶴岡市)を5月に懲戒解雇された元職員の男性(50)が、翌月の同県庄内町議選で経緯を説明せずに初当選していたことが明らかになり、男性の対応を疑問視する声が上がっている。2日にあったJAの総代説明会でも道義的責任を追及する意見があった。

JA役員は引責辞任

 男性はJA支所の融資係長だった2014年7月、2730万円のローンを組んだ顧客の求めに応じて抵当権解除の書類を作成。当時、公用印を盗用したとされ、窃盗罪に当たる可能性もあったが、JAは発覚時に時効(7年)が過ぎていたため、告訴しなかった。6月7日、男性の名前を伏せて事案を公表した。

 男性は6月14日告示の庄内町議選に出馬。前回定数割れして注目された町議選は定数14に20人が立候補する激戦となり、男性は上位当選した。選挙戦で解雇の経緯に言及しなかったが、当選後のJAの会合などで知られるようになった。

 庄内町であった総代説明会では、参加者から「JA役員も引責辞任しているのに、本人が公職にあってやめないのはおかしい」「リコール(解職請求)したらどうか」などと批判が相次いだ。

 男性は河北新報社の取材に「町議選出馬は解雇される前から決めていた。機会があれば町民に説明して理解を得たい」と説明。不祥事については「鶴岡市内の住宅が不要になった顧客に同情した。翌年に一括返済するという話だった。認識が甘かった」と弁明した。

 町議会の石川保議長は「JAが個人名を公にしていないのでコメントできない。事実関係が明らかになった段階で町民の世論がどうなるか注視したい」と話す。

職員不祥事について会見し謝罪する庄内たがわ農協の太田政士組合長(右)ら
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