安倍氏死去で半旗掲揚 学校へ通知の市教委、東北の県庁所在市・中核市は仙台のみ

 仙台市教委が安倍晋三元首相の葬儀に合わせ半旗掲揚を全市立学校に求めた問題で、東北の県庁所在市・中核市の全9市教委のうち、学校に半旗掲揚を求めたのは仙台のみだったことが5日、各市教委への聞き取りで分かった。

仙台市教委が全市立学校に出した半旗掲揚に関する通知

 仙台市は安倍氏の死去当日、市長部局が教委に半旗の掲揚を依頼したが、他8市で同様の例はなかった。独自判断で早々に決め、教委にも依頼した仙台市の異質な対応が際立っている。

 仙台以外の8市教委は学校に半旗の掲揚を求めなかった理由として、いずれも「政府からの要請がない」ことを挙げた。

 郡山市教委学校管理課は「(半旗掲揚に関し)政府や福島県から何の文書も来ていない。依頼がなければ学校に半旗を求めることはない」と強調。八戸市教委教育部は「文部科学省や青森県教委から連絡があれば、必要に応じて学校に知らせる」と説明した。

 秋田市教委総務課は「掲揚は各校が判断すべきことで、一律に半旗を求める通知を出すことはない」と指摘。山形市教委管理課は「(市教委の)独自判断で半旗の掲揚を求めることはあり得ない」と断言した。

 仙台市総務局は安倍氏が亡くなった7月8日、半旗掲揚の方針を決め、郡和子市長の了承を得て同日夜に各部局に通知。これを受け市教委は同11日付で市立の小中学校と中等教育学校、特別支援学校、高校の計188校に半旗掲揚を求める通知を出した。市教委教育指導課は「(総務局)通知に応じて学校に要請した。協力のお願いで、強制力はない」と説明する。

 教育基本法14条は、学校が特定政党を支持したり反対したりする「政治的活動」を禁じる。末松信介文部科学相は29日の記者会見で「半旗を掲揚するか否かは、自治体で適切に判断すべきものだ」との見解を示した。

 東北のある県庁所在市教委の担当者は、仙台市教委の対応について「通知を受けて学校現場がどんな判断を踏まえて半旗を掲げた(掲げなかった)のか知りたい。特定の政治家に関わる案件は教育基本法に抵触する可能性もあり、より慎重な検討が求められる」と話す。

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