装飾付大刀、復元品制作へ 宮城・山元の合戦原遺跡で出土

合戦原遺跡で出土した「金銅製装飾付大刀」

 宮城県山元町教委は本年度、同町高瀬の合戦原遺跡で見つかった飛鳥時代ごろのものと推定される「金銅製装飾付大刀(たち)」の復元品を制作する。大刀は大和朝廷と関わりのある有力者の副葬品とみられ、学術的価値が高い。町教委は復元品を実際に触れることができる形で一般公開する。

 町教委生涯学習課によると、装飾付大刀は長さ約103センチ、幅3~4センチ。東日本大震災の復興事業に伴う町教委の発掘調査で、2015年5月26日、38号横穴墓の遺体を安置する玄室の入り口部分から出土した。

 発見した町歴史民俗資料館の山田隆博学芸員は「権威の象徴や魔よけとして置かれたのではないか」と推測する。装飾付大刀がほぼ完全な形で見つかるのは東北では珍しく、今後、国や県の指定文化財となる可能性が高いという。

 実物は、温度と湿度を適正に保った町文化財収蔵庫で保管する必要がある。同課は9月から来年3月まで復元品を制作し、来年度から資料館に常設展示する予定。事業費約250万円のうち150万円は東日本鉄道文化財団(東京)の助成金を活用する。

 町役場で今月2日、財団による助成の承認書贈呈式があった。太田稔専務理事は「地域の歴史と貴重な文化を後世に継承する有意義な事業だ」と評価。菊池卓郎教育長は「大刀を(玄室の奥壁で見つかった)線刻画とともに発信し、交流人口拡大とにぎわい創出を図りたい」と述べた。

[合戦原遺跡]阿武隈山地から東に広がる標高15~35メートルの丘陵・段丘にあり、古墳時代の古墳群、古代の窯業・製鉄遺跡として知られる。東日本大震災の復興事業に伴う2014~16年度の発掘調査で、古墳時代終末期~奈良時代の横穴墓54基などを確認。最も大きい38号横穴墓の玄室奥壁では、人や鳥などを描いた東北最大規模の線刻画(高さ1・7メートル、幅3・7メートル)も見つかった。

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