(380)長き夜や魚の切り身のごと眠り/松本 てふこ(1981年~)
涼しくなってきたが床に入るとまだ少し暑く、タオルケットに中途半端に丸まるように寝ている、そんな姿だろうか。眠りに落ちていく際の自己客観視とも、そばで眠る人の描写とも読めるが、妙な納得感。寝巻(ねまき…
関連リンク
- ・(379)ロックスターみな生きてゐる敬老日/上野 犀行(1972年~)
- ・(378)仮の世に住めばまことや小鳥来る/小檜山 繁子(1931年~)
- ・(377)目つむればここまでが指そこから桃/黒岩 徳将(1990年~)
- ・(376)秋暑けふわれも土俵に塩撒(ま)きたし/津高 里永子(1956年~)
- ・(375)嬰生まるはるか銀河の端蹴つて/小澤 克己(1949~2010年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。