「不動産終活」へ専門家育成 岩手・宮城の団体、民間資格を制度化

改修しテレワーク施設に整備する空き家(写真はイメージです)

 岩手、宮城両県の不動産関係者らでつくる一般社団法人「不動産終活支援機構」(盛岡市)が、土地・家屋の相続や将来的な利活用について助言する民間資格「不動産終活アドバイザー」を制度化する準備を進めている。東日本大震災の被災地など地方で深刻化する空き家や荒れ地の問題、相続を巡るトラブルの未然防止が目的。不動産の終活に特化した認定制度は全国的にも珍しいという。

空き家問題解決へ助言

 資格として、不動産相続の基本知識を基に建築や金融、法律などの専門家につなぐ「不動産終活アドバイザー」と、多分野のノウハウを習得して当事者に助言する上級向けの「不動産終活士」を用意。12月に申し込みを受け付け、来年1月の試験実施を目指す。

 問題解決に向けた流れを(1)所有不動産の把握(2)維持や利用、処分などの判断(3)相続後の分配ルールの決定(4)相続人に対するルール公表と遺言書の作成-と提示。隣地との境界が不明瞭だったり、登記が更新されないままだったりして問題が複雑化したケースも多く、当事者が筋道を立てて一つ一つ解決するのを支える。

 機構は2019年4月、大手住宅メーカーOBらが中心となって設立した。岩手、宮城両県の不動産業や建設業、保険代理店、司法書士など多業種の約60社に加え、趣旨に賛同した9都府県の10社が加盟する。遠方の実家などの扱いに悩む人もサポートできるよう、将来的には会員企業を全国に広げ、県境をまたいだ対応を目指す。

 総務省の調査によると、全国の空き家は2018年10月1日時点で過去最多の848万戸に上り、住宅総数の13・6%に達している。東北は岩手16・1%、青森15・0%、宮城12・0%など。高齢化や都市部への人口集中を背景に空き家が各地で地域課題となり、仙台市など一部自治体は関連条例を制定して対策に着手している。

 法人の斉藤正志代表理事は「空き家や荒れ地も元は健全な不動産。資格を通じ、『問題が起きる前にできることはある』との認識を広げていきたい」と強調。機構宮城の佐々木篤代表理事は「時間や労力の要する問題だが、エキスパートを増やすことで少しでも改善につなげたい」と語った。

 連絡先は機構本部事務局019(681)6125と、機構宮城022(797)3570。

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