岩手の津波死者最大7100人 日本海溝地震、県が推計 東日本大震災を上回る

岩手県庁

 岩手県は20日、県太平洋沖でマグニチュード9級の地震が発生した場合、津波などで最大7100人が死亡するとの被害想定を公表した。最も被害が甚大なのは、冬の夕方に発生する日本海溝沿いの地震と予測。市町村別では久慈市の死者が4400人で最多と推定した。想定死者数は6000人超の死者・行方不明者が出た東日本大震災を上回る。県は想定を踏まえ減災対策を強化する。

最多、久慈4400人

 冬の平日午後6時ごろの地震発生を想定し、徒歩での避難を前提に推計。久慈市に次いで犠牲者が多いのは宮古市の2100人、釜石市の220人と続く。県全体で3万1000棟の建物が全壊し、経済被害は2兆7000億円に上る。

 発災後、すぐに避難を始めた場合は、全体の死者が7000人から約9割減の922人にまで抑えられることも示した。

 季節や時間帯のパターンはほかに「冬・深夜」「夏・正午ごろ」を想定。同様の地震が冬の深夜に起きた場合、県全体の死者は6800人。夏の昼では2700人と予測した。

 別の地震モデルでも被害を推計した。いずれも冬の夕方の発生で、東日本大震災と同じ地震では最大4200人が死亡、3万5000棟が全壊。震源が遠い千島海溝沿いの地震では最大死者1800人と予測した。

 政府は21年、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定で、県内の最大死者は冬・深夜で約1万1000人と示した。これを下回ったのは、政府が地震直後の避難を20%としたのに対し、県は54%に設定したため。11年の震災直後の避難者が約半数いたとのアンケート結果を基にした。

 県は犠牲者ゼロを目指し、避難時間の短縮や津波避難ビルの指定、避難タワーの整備を推進する。達増拓也知事は「避難意識の向上と迅速な避難で犠牲は大幅に減らすことができる。予想される被害を最小限とするため、市町村と連携を深めていく」と語った。

 被害想定は県が今年3月に発表した最大クラスの津波の浸水想定を踏まえて策定した。22日の県防災会議での承認を経て、県のホームページに載せる。

河北新報のメルマガ登録はこちら
3.11大震災

復興再興

あの日から

復興の歩み


企画特集

先頭に戻る