無人帆船で離島に物資運搬 酒田―飛島間39キロで実験へ

出航を前に酒田入りし、自律航行させるヨットに帆を張るエバーブルーテクノロジーズのスタッフ

 山形県酒田市の離島・飛島と酒田港の39キロを帆船型ドローンが海上航行して物資を運ぶ実験が23日に行われる。情報通信技術(ICT)を駆使し、島の暮らしを便利にする国土交通省の「スマートアイランド推進実証調査」の一環。風任せの無人ヨットを自律航行させるのは全国初の試みという。

定期船の役割補完

 帆船型ドローンは全長2・3メートル、幅1・25メートルで、マスト高は4・2メートル。120キロの荷物を積載できる。エンジンはなく、通常は人が行うセール(帆)操作やロープワーク、かじ取りをすべてコンピューターで自動制御する。午前6時に酒田港を出発、伴走船と共に7、8時間かけて島の勝浦港に到着させる予定だ。

 市は2021年、実証調査の主体となる協議会をNTT東日本などと設立した。船舶型ドローンは、障害者でも操縦できる帆船開発を目指すエバーブルーテクノロジーズ(東京)のヨットを転用。NTTが自動操縦や位置情報把握などの技術支援を行った。

 酒田-飛島間は夏場以外は定期船が1日1往復のみ(片道1時間15分)。荒天による欠航が多く、冬場は長期にわたるなど、物流の安定が課題だ。実用化されれば、新たな海上輸送手段として定期船を補完する役割が期待される。

 協議会は昨年度、飛島までの海底光ファイバーケーブルを整備して通信環境を改善。スマートフォンで注文した商品を小型電気自動車を使って島内で配達する仕組みをつくった。

 帆船ドローンを巡っては本年度、島の西海岸に多く漂着する海洋ごみの搬出や密漁監視などに活用できないか可能性も探る。

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