閉じる

(404)死ねば帰る今頃なれば霧の故郷(さと)/遠藤梧逸(1893~1989年)

 霧。平知盛は「見るべきほどのことは見つ」と言って死んでいったが、振り返れば昔の記憶にはうっすらと、霧。秋冷至る季節になって、一層故郷への思いが募る。ああ、ちょうど今頃死ねば、故郷は朝晩、霧を置く季節だなあ。死を見据えた達観、しかし心はなつかしい故郷に走る。心の目で見た故郷の霧は、晴れただろうか。作…

関連リンク

秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

ライブカメラ