(406)虫の夜の星空に浮く地球かな/大峯あきら(1929~2018年)
虫が鳴き交わしている秋の夜、満天の星の中に、浮かんでいる地球が見えるという。作者はまるで宇宙の別の星から地球を眺めているようだ。「浮く」の措辞により、私も不思議な浮遊感に包まれ、いつの間にか地球を飛び出し宇宙から地球を見ているような気になる。一句の中に共存する、小さな虫と果てしない宇宙。地球は今騒…
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